桧山 タミ。 『みらいおにぎり』桧山タミ

桧山タミさんのがんばらない台所(後編)

桧山 タミ

その料理教室はレシピがない。 「きょうはエビと魚があるけど何作る?」といった調子で始まる。 20~70代の幅広い世代が学び、中には約50年通う塾生もいる。 福岡市中央区の「桧山(ひやま)料理塾」。 教壇ならぬ台所に立つのはその道74年の料理家桧山タミさん(91)だ。 「何ですりごまとか買うと? 煎(い)ったゴマをすり鉢とすりこぎで、すって使ってごらん。 全然違うよ」 風味豊かなごまあえに塾生は「ほんとう」のおいしさに気付き、手間を愛(いと)しむ大切さを知る。 同時に手間が重荷になってはいけないとも。 「手間をかけなきゃって義務感で料理すると心が疲れるよ」。 忙しい人は時間を短縮しても心を抜かない工夫を学んでほしい。 「季節の野菜は蒸すだけで十分おいしいでしょ」 レシピの分量、時間などの数字は目安に過ぎない。 暑い中で運動した日と、雨で読書した日では塩加減も違う。 おいしい味は作る人の舌や鼻が決める。 女学校を卒業後、料理家の草分け、故江上トミさん(熊本県出身)の門下生になった。 戦前戦後を通じて38年間師事した江上さんとは欧州など17カ国を巡った1964年の視察旅行も共にした。 半年近くをかけた食の旅は「人生の大きな糧」になる。 その後、何度も世界各地を訪問。 地元の料理や食材を体験して「自分の生きる土地に合った物を食べる大切さ」を痛感した。 日本には「これほどおいしい物はない」という米をはじめ、四季折々の野菜がある。 30代で始めた料理教室では当初、西欧料理を教えたが、やはり日本の家庭料理を伝えるべきだと確信した。 80歳のころ膝を痛め杖(つえ)が必要になった。 人間も自然の一部。 体を冷やさないように心掛け、マッサージでいたわった。 筋肉に必要なアミノ酸を十分取れるよう豚足煮を作ってゼラチンを取り出し、毎食みそ汁などに混ぜて食べた。 「絶対に自分で治す」と決めて約3年、杖がいらなくなった。 「自分で治そうとする人しか治せません。 食べ物より良いお薬はないでしょう」 料理教室は週に3、4日開く。 調理器具が並ぶ棚に、お気に入りの銅製ソテー鍋がある。 玉ネギをあめ色になるまでじっくり炒めるときはこれに限る。 江上さんがパリに住んでいた31年に購入して使っていたのを譲り受けた。 来客が絶えず「一緒に食べましょうって、みんながいろいろ持って来てくれる」。 取材後に頂いた焼き芋も塾生のお届け物。 「皮ごと食べると胸焼けしないのよ」。 中華せいろで温め直した芋はトロッと軟らかく、甘かった。 「いのち愛しむ、人生キッチン」(文芸春秋刊、税込み1566円)。 生活習慣、食材の選び方、愛用する道具と無添加調味料などを紹介。 「レモン汁などは一度で搾りきる。 でないと苦味が加わってしまう」など調理のこつもあれば、「手作りのおやつが作れないと悩まず、愛情を込めたおにぎりでいいよ」と背中を押してくれる助言もある。 そこには多くの弟子や料理家に目標とされてきた桧山さんの「おおらかに、賢く、健やかに、そしてやさしく」という生き方のヒントになる言葉があふれる。 教え子は「人生のお守りのような本」という。 食が人を育て、絆を強める。 台所をよりどころに歩んできた桧山さんの答えだ。 きょうも幸せな「おいしい」を探しに台所に向かう。 「料理って新しい味、違う味を創れるでしょ。

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桧山タミさんのがんばらない台所(前編)

桧山 タミ

土鍋で美味しいご飯を炊く方法をご紹介いたします。 わが家の炊飯器。 いまいち美味しいと感じません。 安い炊飯器を購入したわけでもないのですが、香りがあまりしないのです。 そこで、美味しいと言われているお米を買ってきたり、お米の研ぎ方を勉強したり、信州の湧き水をくんできて試したりしてみましたが、それでも美味しいと思えません。 先日ちょっと思い立って、本棚に眠っていた本を見ながら土鍋でごはんを炊いてみたところ、びっくりするほど甘くてふっくらしました。 きょうは、92歳で現役料理研究家「桧山タミ」さんの 「いのち愛しむ、人生キッチン」と、東京の赤坂の料亭「たつむら」の料理長でもある宮川昌彦さん監修の 「いちばんやさしい日本料理」を参考に、2つの炊き方をご紹介いたします。 結論を申し上げますと、桧山タミさんのレシピと、「料亭たつむら」のレシピは、ほぼ同じです。 ほぼ同じということは、この2つのレシピは、土鍋の炊き方の基本がきちんと書かれていることを証明しています。 土鍋で美味しいごはんを炊くことが出来るレシピですので、ご参考になさってください。 4. とろ火~弱火にして10分ほど加熱します。 コトコトと小さな音がしてきたら、3秒間強火にして、火を止めます。 5.フタをしたまま10~15分蒸らします。 水でぬらしたしゃもじで、切るように混ぜて出来上がりです。 2つのレシピの共通するコツ 桧山タミさんと、東京の赤坂の料亭「たつむら」の土鍋でご飯を炊く方法は、若干の違いはありますが、基本はおなじです。 竹ざるに上げること、米を吸水させること 土鍋で炊くごはんは、お米を洗ったあと、水分をしっかり切ることが美味しく炊けるコツです。 夏は30分、冬は1時間を目安に水気を切りましょう。 それ以上ザルの上にさらしておくと、お米が割れてきますので気を付けて。 フタを開けてOK! 「桧山タミさん」 途中フタを開けて土鍋の中を見て、水気が無くなってきたら火を弱めてフタをする。 「赤坂料亭たつむら」 沸騰するまでフタを開けておく。 2つのレシピは、 「フタを開けて、様子を見ながら火加減を調整する」ことに重きをおいています。 絶対フタを開けちゃいけませんではないので、難しさはありませんね。 土鍋で炊くご飯は、強火で炊くのがコツと言われていますが、あまりにも火が強いと土鍋の底が焦げてしまいます。 私は何度も焦がしてしまった経験があります。 お米の量や土鍋の大きさによって、炊き上がる時間や状態も変わりますので、大切なポイントは 「フタを空けて様子を見る」ということですね。 お米と水の量は正確に 計量カップにお米を入れる時、台の上でトントンならしてお米をカップにしっかり詰め込みましょう。 水の量も正確に測りましょう。 土鍋を使う時の注意点 火加減に注意 私が土鍋でごはんを炊いて気を付けていることですが、沸騰してから、約10分炊く間の火加減は、弱めにしていることです。 火加減が強いと焦げてしまいますし、火力が弱いと米に芯が残ってしまいます。 何度か繰り返すうちに、必ずコツをつかむことが出来ますので、がんばりましょう。 私は今でも、毎回修行と思っています(笑) 土鍋の外側が濡れていないこと 土鍋の外側の面がぬれた状態で火にかけると、割れることがありますので、水気を拭き取ってガスコンロに置いてくださいね。 また、使い終わったらよく乾かして、次の出番に備えましょう。 まとめ 92歳の現役料理研究家「桧山タミさん」と、赤坂の料亭「たつむら」宮川料理長さんの、土鍋ごはんで美味しくお米を炊く2つの方法をご紹介いたしました。 土鍋でご飯を美味しく炊ける方法を模索していましたが、2つのレシピともに大きな違いがないことが分かりました。 ・炊く前に洗った米をザルに上げておく ・季節時間で米に吸水させる ・フタを開けて様子を見る 最初は焦がしてしまったり、上手に炊けないこともあるかもしれませんが、続けるとコツが分かってきます。 土鍋でごはんを炊く方法を知っていれば、電気が使えない時に役立ちますし、炊飯器で炊くごはんがいまいち美味しくないと思われている方は、おためしください。

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『みらいおにぎり』桧山タミ

桧山 タミ

桧山タミ先生のスタジオです。 銅鍋がずらりと並んでいます。 先生は煮込み料理にはほとんど銅鍋を使われます。 私もその影響で15年ほど前から銅鍋ファンになり、お店でも銅鍋をたくさん取り扱うようになりました。 銅はほんとに不思議な素材でして、なぜか美味しくなる、なぜかまろやかになる、なぜか殺菌する、なぜか煮崩れしにくい。 現在も一流ホテルや老舗菓子店などが使っているほか、ずっとずっと昔の王様たちも使っていたそうです。 いまのように科学的な検証をしないまでも銅の素晴らしさは常識だったというのがすごいなぁと思います。 銅の使い方にはちょっとしたコツがいります。 今回は銅の正しい取り扱い方をご紹介しましょう。 油をゆっくりなじませるのがくっつかないポイントです。 使い始めは、洗剤で洗って水をたっぷり入れて中火以下で沸騰させてください。 水分を拭き、油を多めに(半分程度)入れて弱火(途中からとろ火程度)で5分~10分ほど温めます。 油にパンなどを浮かべたりして状態をみるとわかりやすいでしょう。 温度が上がりすぎると、錫引きが膨れたり溶けたりします。 )油を捨てて中性洗剤を使わずにお湯で洗い、その後、再度水を入れて沸騰させてから捨て、温かいうちに乾いた布巾で拭きます。 温まったかどうかわからない時は、数滴の水をかけてみてください。 すぐにジュッと無くなる程度まで温めます。 )温めすぎると錫引きが剥げますので、煙が出そうになったらすぐに火を止めてください。 キッチンペーパーなどで油をなじませるといいのですが(特に、角などをよくなじませる)、ペーパーだと油をすっかり吸収してしまいがちなので、小さいさらしが重宝します。 汚れは、お湯で汚れをふやかしてから洗います。 玉子焼器に入れた水を沸騰させ、火を止めて温かいうちにスポンジか布でこすると汚れがすんなり落ちます。 錫引きはだんだん変色してきますが、基本的にはそんなものだと思って頂いたほうがよいです。 再度、錫引きすることも可能です。 銅の汚れは、塩と酢を混ぜたものをスポンジに含ませて拭きます。 梅のシソで拭くのもよく取れますし、専用の銅磨きもあります。 取れにくいスス汚れは、細かいサンドペーパーか、とても細かい金タワシで部分的にこすってください。 塩分をそのままにすると緑青の原因になるのでしっかりお湯で洗って下さい。 水分や湿気が付着したままだと、1日でも緑青がでることがあります。 緑青を防ぐには水分を完全に飛ばしてから保管することです。 銅は保温力があるので、洗った後で再度少ないお湯で沸騰させることで玉子焼器を温め、そのお湯を捨ててガスレンジの上に置いておけば、数分もかからないうちに保温力で水分が全くなくなります。 冷めてから収納しましょう。 使わない時でも、たまに軽くガスの遠火で温めると湿気が飛ばせます。 棚の中に収納して湿気が気になる時は、新聞紙で包んで収納します。 乾燥材などを中に入れて新聞紙で巻くと完璧です。 いつも使う方は、しっかり乾かせば心配は不要です。 プロの調理人のように強火で使うのも結構ですが、温度あがり過ぎると溶けてしまうので気をつけて。 必ずガスから離れないようにして下さい。 製品によって全く使い勝手が違い、また取扱いやメンテナンスがとても大切な道具です。 キッチンパラダイスでは銅についてスタッフみんなで勉強しています。 変色、再生などのご相談も承っていますのでご購入後もご安心ください。 キチパラでの銅鍋オンライン購入は 、銅の玉子焼器の購入は. 福岡市中央区白金1-4-14 092-534-6311.

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