サイケデリック ロック。 サイケデリックとは

史上最高のサイケデリック・アルバム25選

サイケデリック ロック

新世代のサイケデリック・シーンを牽引する、英国ケタリング出身の4人組 Temples テンプルズ。 2014年のデビュー・アルバム『Sun Structures』では12弦ギターとストリングスをフィーチャーし、初期 Pink Floyd ピンク・フロイド や The Byrd バーズ もかくやの万華鏡ワールドを展開してみせたが、今年3月にリリースされた2作目『Volcano』ではシンセやエフェクターを総動員、エレポップとプログレとサイケが闇鍋状態で煮込まれた異形のサウンドでファンの度肝を抜いた。 音楽家としての野心的なスタンスはもちろん、彼らの眉目秀麗なルックスも人気の秘訣だろう。 過去にヴォーカル&ギターのJames Bagshaw ジェームス・バッグショー があの として選ばれ、ベーシストのTom Walmsley トーマス・エジソン・ワームスレイ が として起用、果ては UNDERCOVER アンダーカバー と VANS ヴァンズ のコラボ・シューズにバンドの名曲「Shelter Song」の歌詞が引用されるなど、ファッション界からのラヴコールも熱い。 そんな Temples にとって、音楽とファッションはどんな存在なのか? トレードマークの巻き毛をバッサリと散髪した James と、ギター&キーボードを担当する Adam Smith アダム・スミス の2人に、去る11月の東京公演の舞台裏でインタビューを敢行。 ゲスト出演した GLIM SPANKY グリムスパンキー の爆音リハが鳴り響く中、話題は「2ndアルバムのジンクス」からタワーレコードに至るまで、あちこちに飛び火した。 Photo by Hiroki Watanabe —実は、7月にLAの FYF Fest でも Temples を見てるんですよ。 James Bagshaw 以下、James :へえ、ナイス!Iggy Pop イギー・ポップ が最高だったよね。 —しかも、現地で皆さんのインスタを拝見していたら、ACE HOTEL エースホテル でニアミスしていたみたいで……。 ACE HOTEL はロンドンにもありますけど、居心地はどうでした? Adam Smith 以下、Adam :ちょっとポッシュな雰囲気だったよね。 James:うん、まるで自分がヒップスターになったような気持ちだった 笑。 —わかりました 笑。 今回はフジロックぶりの来日で、大阪・名古屋と終えてツアーも絶好調ですが、2ndアルバム『Volcano』の曲もすっかりライヴに馴染んできたのではないでしょうか。 演奏していて特に楽しいナンバーってどれですか? James:ギグによって全然違うかなあ。 Adam:僕は「Open Air」だね。 すごくライヴ映えするナンバーだと思うし、あえてテンポを上げてヘヴィーに演奏していたりもするよ。 —まだ一度もライヴで披露されていない曲もありますよね? 「In My Pocket」とか、「Celebration」とか……。 James:そういえば、「Celebration」はレコーディング以来一度もプレイしてないかも 笑。 Adam:特にこれといった理由があるわけじゃないんだけど、やっぱりセットリストでは前のアルバム 2014年の『Sun Structures』 の曲もハズせないし、新曲ばっかりだとついてこられなくなっちゃうオーディエンスもいるからね。 Temples Tour Video —『Volcano』では、前作とは絶対に違うものを作ってやろうという想いを感じました。 多忙なツアー続きの中で、どのように構想を膨らませていったのでしょうか? Adam:ツアー中にまったくオフが無かったわけでもないんだ。 だから、ライヴと曲作りはきちんと境界線を引きながら進められたと思うよ。 —なるほど。 James はガッとソングライティングに集中するのと、日常の中でパッとアイディアが閃くのでは、どちらのタイプだと言えますか? James:両方かな。 頑張って頭の中から捻り出したものもあれば、瞬間的にメロディーやリリックがフッと浮かんでくることもあるしね。 —いわゆる「2ndアルバムのジンクス」というのは意識されましたか? Adam:「2作目はディフィカルト 大変 だ」ってよく聴くけど、僕らはバンド人生において 2nd アルバムを作ること自体が初めての経験だったわけだし、強いて言うなら「ディファレント 異なる 」かな 笑。 デビュー作とはあらゆる意味で勝手が違っていたからさ。 —それは、おもにどんな部分で? James:制作のプロセス自体は大きく変わらなかったけどね。 ただ、Adam からのインプットがより濃く反映されたアルバムになったんじゃないかな。 もちろん前作でそれがゼロだったわけじゃないんだけど、今の4人編成になるよりも前の曲もあったわけでね。 だから今回はメンバーそれぞれの影響がたくさん盛り込まれてるし、それを『Sun Structures』とは違う方向へ舵取りしていった感じだよ。 —あなたたちが所属する Heavenly Recordings ヘヴンリー・レコーディングス は、アーティストの裁量で自由にやらせてくれるそうですね。 James:うん、特にプレッシャーをかけられることも無かったし、リラックスして制作に取りかかれたのは良かったと思う。 —素晴らしいバンドも多いですよね。 Adam:ああ、彼らはアメイジングだよ! —ちなみに、アー写で をやったのは誰のアイディアだったんですか? James:あれはTomのアイディアだよ 笑。 —なぜイエローを選んだのでしょう 笑。 James:わかんない 笑。 なんでだっけ? Adam:とりあえずピンクは無いだろって話だったね 笑。 Pink Floyd が使ってるのはちゃんとした布だからラグジュアリー感があるんだけど、僕らのはただの紙なんだ。 このアイディアも最初から決めていたわけじゃなくて、スタジオに置いてあるバックグラウンド用のペーパーが、ちょうどイエローだけが4人分ぴったりあったんだよ! ブルーだったらまたイメージが違ったのかもしれないね 笑。 —自分たちの世界をサウンドとして表現するのと、アートワークや映像などで視覚的に表現するのは、それぞれどんな違いがありますか? James:ビジュアル面では音楽よりも苦労することが多くて、アートワークっていつもギリギリまで決まらないんだよね。 それぞれ好きなテイストがハッキリしているから、よりメンバーの個性が表れる部分とも言える。 でも大前提として、僕らは「ミュージシャン」であって、「アーティスト」というのはちょっと違うと思うんだ。 だから、音楽の部分において自分たちの気持ちがまとまっていること、コネクトできていることが大切だと思っている。 —では、ライヴのステージングにおいて強く影響を受けているミュージシャンや作品は何かありますか? James:僕はAdamから影響を受けているよ 笑。 で、Adam はSam サム・トムズ:Templesのドラマー からの影響を受けているし……。 Adam:Sam は James から影響されているよな 笑。 James:みんなバックグラウンドが全然違うからさ。 Adam:僕はたぶん、Les Dennis レス・デニース:イギリスの人気コメディアン のパントマイムだね……っていうのはジョークだけど 笑。 僕なんて、いまだに自分が楽器を弾いている姿を鏡で見ることさえ慣れてないから。 お前はよくやるだろ? James:昔はやってた 笑。 Adam:鏡を見ながら色々と試行錯誤したものの、結局それをステージで実践することは無かったけどね。 —YouTube で自分たちのライヴ映像を見返したりはするんですか? James:たまーにね。 サウンドチェックとして聴くのが目的だけど。 ステージ上で自分たちが聴いていた音がイマイチだなあと思っていても、いざ映像で見ると「意外と良いじゃん」って気付くこともあるよね。 もちろん、その逆のパターンもあるんだけどさ 笑。 —世界中を旅して色んなフェスに出演されていますが、特に思い出深い場所はどこですか? Adam:これはリップ・サービスでも何でもなくて、日本だよ。 アメリカにも何度か行ってるし、もちろん良い思い出もあるけどね。 James:日本のカルチャーはテイストが独特だし、クオリティが高いし、きめ細かく作られているものが多いっていう印象だね。 ホスピタリティーにも溢れているし。 —そういえば、「Certainty」のビデオはJ-POPをイメージして作ったというお話でしたよね。 James:ホントは J-POP シーンで有名な監督に撮ってもらおうと思ってたんだよ! 結局あの話がどうなったのかわからないけど…… 笑。 Temples - Certainty —次回作ではぜひ 笑。 以前 Morrissey モリッシー が来日した際に、「どんな寺院や建物よりも渋谷のタワーレコードに興奮した」と語っていました。 未だレコードショップが多く存在し、CDも売れ続けている日本の音楽マーケットをどう思いますか? James:うん、素晴らしいことだと思うよ。 Adam:日本はテクノロジーが発達しているから、音楽もさっさとデジタル化が進んで、最初にフィジカルを手放すものだと誰もが予想していたよね。 でも、実際はそうじゃないっていうのが面白い。 日本では Spotify スポティファイ がまだそれほどビッグじゃないって聞くし、Spotify よりもタワーレコードの方が影響力があるっていうのは良いことだとも思う。 もちろん、一緒に成長していけるのであればそれがベストさ。 ただ、これは個人的な意見だけど、日本はおそらくフィジカルを手に取ること、自分の目でモノを見ることに価値を見出すカルチャーが根付いているのかなって感じるんだ。 いつかタワレコがただのサイン会場になってしまう可能性だってあるけどね 笑。 —もしフィジカルが無くなったら、我々はどこにサインをもらえば良いんでしょうね 笑。 James:たぶん、iPadのスクリーンとかにサインするんじゃないかな 笑。 写真もサインもダウンロードで済ませる時代になるかもしれない 笑。 —それも何だか寂しいですね 笑。 もうすぐ2017年も終わりますが、今年リリースされたアルバムで特に気に入ったものや、よく聴いていた作品があれば教えていただけますか? Adam:Thundercat サンダーキャット の『Drunk』って今年だっけ? あれはグレイトなアルバムだったよね。 最初は「なんだコレ!?」って思ったんだけど、サウンドは聴けば聴くほど最高だし、ミックスもここ10年で一番の仕事だと思うよ。 —グラミーで「最優秀アルバム技術賞」も獲得していましたね。 James:あれだけ大胆な変化を遂げたアルバムなのに、きちんと結果を残したことが凄いよね。 —では、いちオーディエンスとして今年もっとも印象的だったライヴは? Adam:真っ先に思いつくのは Metallica メタリカ かな。 —マジですか 笑。 Adam:サンフランシスコの Outside Lands アウトサイド ランズ で見たんだけど、ブリリアントだったよ。 Lars ラーズ・ ウルリッヒ:メタリカのドラマー は酷かったけど 笑。 あとは、ロンドンで見た Sparks スパークス も最高だった。 James:振り返ってみると、今年は結構良いライヴを見た気がするよ。 アムステルダムの小さな会場で見た Bob Dylan ボブ・ディラン も素晴らしかったね。 Photo by Hiroki Watanabe —最後に少しだけ、あなたたちのファッションについてもお話を聞かせてもらえますか? Adam は最近、少しJohn Lennon ジョン・レノン に似てきた感じがしますが…… 笑。 Adam:ハハハ 笑。 James:レノンじゃなくて、レジェンドの方じゃないの 笑。 —お2人の中で、「これだけは譲れない!」というファッションのこだわりがあれば教えてください。 Adam のベレー帽はいつも被ってるのですか? Adam:いや、今まで帽子なんて被ったことなかったんだよ。 これは東京で買ったんだけど、たまにはいいかなと思って。 James:東京に来てフランスの帽子かよ 笑。 Adam:髪を短くしたから気分が変わったってのはあるかな。 ロン毛の時は全然似合わなかったからさあ 笑。 —James は2014年、Hedi Slimane が撮影した Saint Laurent サンローラン の写真集『SONIC』で被写体も務めていましたね。 あれってどんな経緯で決まったのですか? James:たしか Austin Psych Fest で初めて会ったんだけど、そこで「こんど写真を撮らないか」って話になったんだ。 それから連絡を取り合うようになって、正直あまり乗り気じゃなかったんだけど……。 知人から「Lou Reed ルー・リード も撮ってもらってるよ」と聞いて行くことにしたんだ。 実は、その本自体は僕もちゃんと見られてないんだよね。 Hedi はバンドのことをすごく気に入ってくれたみたいで、レコードのキャンペーン用にいくつか写真を撮ってもらえたのは良い経験だったね。 —ミュージシャンにとって、ファッションはどんな存在だと思われますか? Adam:共存関係にあるものだと思う。 ポピュラー・ミュージックの創世記からリンクし合っているものだし、僕だってもし音楽をやっていなかったら、今ごろ親父と同じような格好をしていたかも 笑。 James:僕も Adam と一緒だよ。 ステージに立つからって特別にドレスアップすることも無いし、これが普段着なんだ。 ただ、「着心地」だけは大事だと思っていて、ステージの上でそれに違和感を覚えた瞬間、決まって何かトラブルが起きたりもする。 それに、もしファッションが無ければ、僕らは素っ裸で演奏しなくちゃいけないからね 笑。 Photo by Hiroki Watanabe <プロフィール> Temples テンプルズ UKミッドランズ出身の4人組サイケデリック・ロックバンド。 Noel Gallagher ノエル・ギャラガー や Johnny Marr ジョニー・マー が彼らのライヴを絶賛し、The Rolling Stones ザ・ローリング・ストーンズ のハイドパークでの公演のオープニング・アクトにも抜擢される。 13年には日本独自盤EP『シェルター・ソング e. 』をリリースし、直後には Hostess Club Weekender にて初来日を果たし満員の観客を熱狂させるなど、アルバム・デビュー前から日本でも期待の新人として注目される。 今年セカンド・アルバム『ヴォルケーノ』をリリース。 7月にフジロックに出演、11月にはジャパン・ツアーでの再来日を果たした。

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サイケデリックロックの代表格として知られるクイックシルバー・メッセンジャー・サービスの名盤『ただ愛のために』

サイケデリック ロック

先に言って! 危うく通報するところだったよ! チケさるくん サイケデリックロック。 音楽雑誌や音楽情報サイト、CDのライナーノーツなどでよく目にするこの言葉。 「知ってるよ。 ヒッピーの人達が聴いてるような怪しげな音楽でしょう?」という大雑把な説明はできても、そこからさらに踏み込んで解説することのできる音楽ファンはそれほど多くはないでしょう。 半世紀以上に及ぶロックの歴史において、サイケデリックロックが流行していたと言えるのは 1960年代のわずかな時期に限られており、それ以降はロックシーンの主流に返り咲いていません。 しかし、サイケデリックロックは決して息絶えたわけではなく、その要素は形を変えながら現在も受け継がれています。 近年ではオーストラリア出身の新世代バンド Tame Impalaが グラミー賞にノミネートされるなど、サイケデリックロックは再び息を吹き返しつつあります。 今回は謎多き音楽ジャンル、サイケデリックロックについてご紹介していきましょう。 MEMOティーシャツの絞り染めの柄などに多用される極彩色のデザインはサイケデリアの代表的なものだと言えるでしょう。 幻覚剤の影響下にある時の感覚の変化を音で再現する、または幻覚剤の影響を意図的に増幅させる音を奏でるのがサイケデリック・ミュージックであり、その手法をロックに導入したのがサイケデリックロックです。 ストレートなロックとはひと味違う 浮遊感の強いサウンドが特徴的で、インド音楽などを彷彿とさせるエキゾチックな音階が使用されることも多々あります。 また、通常の録音方法では再現することのできない サウンドエフェクトの使用や同じフレーズを執拗に反復するなど、様々な創意工夫で非日常的な音世界を生み出しています。 1960年代半ばにピークを迎えたサイケデリアブームは、1960年代の終わりには衰退を迎え、ブームとしてのサイケデリアは短命に終わりました。 ドラッグカルチャーから生まれた音楽ジャンルですが、 The Beatlesや The Rolling Stones、 Pink Floydといった超大物バンドもサイケデリアとは無関係ではなく、ロックの歴史において非常に重要なポジションを占めるジャンルであると言えます。 また、サイケデリック・ロックの要素は様々なジャンルへ波及していき、 プログレッシヴロックやヘヴィメタルにも多くの影響を与えています。 先ほど例として挙げたThe BeatlesやThe Rolling Stonesのように、サイケデリックロックバンドではないけれど、その歴史の中でサイケデリック色の強いアルバムをリリースしたことがある、というバンドも数多く存在します。 幻覚作用の再現というコンセプトも薬物の使用経験のない一般の音楽リスナーには理解するのが不可能なので、実際に作品をご紹介しながら音の傾向を掴んでいただければと思います。 サイケデリックロックの名盤やシーンを代表するバンドをご紹介していきましょう。 サイケデリックロック・初期の有名バンド 1960年代に隆盛を誇ったサイケデリックロック。 まず最初に、シーンを形作った代表的バンドや名盤をご紹介します。 The Beatles 『Revolver』 1966年にリリースされた 『Revolver』は、 LSDと東洋思想にのめり込んでいた The Beatlesが最新スタジオ技術と時代の空気を思う存分取り入れて作り上げたサイケデリックロックの傑作です。 同曲の歌詞は、ジョン・レノンが1964年に出版された 『チベット死者の書サイケデリック・バージョン』にインスパイアされて書いたものだと言われています。 Pink Floyd 『The Piper at the Gates of Dawn』 イギリスが誇るプログレッシヴロックの巨人 Pink Floydは、結成初期はサイケデリックロックを演奏するバンドでした。 後に精神を病んで脱退することになる シド・バレット主導で制作された1967年リリースのデビューアルバム 『The Piper at the Gates of Dawn』は、誰かの夢に迷い込んでしまったかのような 非現実感のある作品に仕上がっています。 Pink Floydというバンドのイメージとは異なるものの、作品の質は非常に高く、サイケデリックロックの名盤としてリスナーを満足させてくれます。 The 13th Floor Elevators 『The Psychedelic Sounds of the 13th Floor Elevators』 1966年にリリースされた The 13th Floor Elevatorsのデビューアルバム 『The Psychedelic Sounds of the 13th Floor Elevators』は、サイケデリック感丸出しの極彩色のアートワークが絶大な存在感を放っている作品です。 サイケデリックという言葉から受けるイメージと比較すると ハードな楽曲もありますが、全体的には陶酔感と浮遊感のある作品だと言えます。 日本のバンドで言えば、 ゆらゆら帝国などが好きな方が聴いたらハマるかもしれません。 Jefferson Airplane 『Surrealistic Pillow』 1967年にリリースされた 『Surrealistic Pillow』は、サイケデリックロックのパイオニア的存在として知られる Jefferson Airplaneのセカンドアルバムです。 女性ヴォーカリストの グレイス・スリックが加入して初のアルバムとなった同作は、 全米チャートで3位を記録するヒット作となっています。 Cream 『Disraeli Gears』 日本では 『カラフル・クリーム』の邦題で知られる同作は、1967年にリリースされたイギリスの3人組ブルーズバンド Creamのセカンドアルバムです。 エリック・クラプトン、ジャック・ブルース、ジンジャー・ベイカーからなるCreamは、 ロック史上最強トリオとの呼び声高い超実力派バンドで、1966年から1968年という短い活動期間にも拘わらず、ロック界に偉大な足跡を残しています。 ド派手なアートワークが目を引く同作は、シンプルなブルーズロックだったデビュー作の基本路線は維持しつつも、そこに 極彩色のパウダーをぶちまけたような音像の作品です。 1971年にリリースされた 『Satori』はロック史に残る名盤として知られ、海外のディスクガイドなどでも1970年代の名盤として取り上げられることも少なくありません。 ジョー山中の日本人離れしたヴォーカルと高度に完成されたインストゥルメンタルパートが織りなす緊張感溢れた音世界に魅了される作品となっています。 サイケデリックロック・現代の有名バンド 1970年代を迎える頃にはすでに衰退していたサイケデリックロック。 しかし、その遺伝子は今も世界各地で脈々と受け継がれています。 ネオサイケや モダンサイケなど呼称は様々ですが、良質のサイケデリックロックを鳴らす現代のバンドも併せてご紹介していきましょう。 Tame Impala 『Currents』 2007年に結成されたオーストラリア出身の Tame Impalaは、現代のサイケデリックロックシーンを代表する大物バンドです。 現代のバンドらしくインディロック感やエレクトロからの影響も巧みに消化したサウンドは、若いロックファンから絶大な支持を受けています。 グラミー賞にもノミネートされた2015年リリースの 『Currents』は彼らの代表作のひとつで、踊れる要素も絶妙に配分された聴きやすい作品です。 ライヴバンドとしても非常に高い実力を持っており、2019年の Fuji Rock Festivalでは耳の肥えたロックファンからも大絶賛を浴びました。 先ほど述べた通り アルバムによってテイストがかなり異なるのでオススメ作は挙げませんが、ロックファンの琴線に触れる素晴らしいバンドであることは断言できます。 Psychedelic Porn Crumpets 『And Now for the Whatchamacallit』 またまたオーストラリアのバンドです。 現在、オーストラリアは良質なサイケデリックロックバンドの一大輸出国となっています。 2014年に結成された Psychedelic Porn Crumpetsは、オルタナディヴロックやガレージロックの要素を感じさせるサイケデリックロックを売りとするバンドです。 70年代ハードロックの香りを感じさせるリフやドリーミーなパートなどを上手く散りばめ、バンドの印象をひとつに絞らせないあたりにセンスを感じます。 どの作品も良質で甲乙つけがたいですが、初来日となった2019年の Summer Sonicでの熱演も記憶に新しく、ここは同年にリリースされたアルバム 『And Now for the Whatchamacallit』を挙げておきましょう。 彼らの作品は アートワークも素晴らしいので、音楽だけではなくジャケットも併せて楽しんでいただきたいです。 まとめ 今回ご紹介したバンドの音を聴いていただくと、バンドによってかなりサウンドの雰囲気が異なるのがおわかりいただけたかと思います。 しかし、どのバンドにも共通しているのは、言葉で表すのが難しい 「サイケ感」を持っていることです。 みなさんが好きなバンドの曲の中にも 「あ。 このパート、なんかサイケっぽいな」という部分があったりするのではないでしょうか。 この記事でサイケデリックロックに興味を持たれたら、そんなサイケな匂いのするバンドを探してみてください。 愛の街として知られる川崎市に住む新米ライター。 音楽とビールに生かされる日々を送っております。 好きなジャンルはハードロックやヘヴィメタル、たまにパンクロックなど。 ライヴ前のお酒も好きですが、ライヴ後のお酒はもっと好きです。 ファンを振り回すのが得意なバンドではありますが、その魅力に抗えず長いこと追いかけ回しております。 彼らの2008年作『Chinese Democracy』は無人島へ持って行きたい1枚。 プロフィール画像はわたくしの近影…ではなく、不定期でTwitterに投稿している『猫ちゃんのおしゃべり酒場』シリーズの猫ちゃん。 そろそろ本物の猫ちゃんを飼いたいマイライフです。

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Hollow Hand、クラシカルなUKサイケデリック・ロックバンド

サイケデリック ロック

サイケデリック・ロックとは? 画像: 画家とか芸術家というものはつねにプレッシャーにより精神を病むこともしばしば。 ミュージシャンもそう。 自分たちの創造性に成功がかかってるんですから。 その精神の安らぎのためにくすりを使用することはロック以前の音楽界でも普通のことでした。 この、 薬物による幻覚の世界を体現したロックが、サイケデリック・ロックです。 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのデビュー 画像: は、自らが体験した 生々しい体験やタブーなど、人間の内側の暗い部分を描写した、一般的にイメージされるアメリカ的なロックとは異質のロックでデビューします。 そのアルバムが「 」。 ボーカリスト&ギタリストのルー・リードの人の暗闇部分を描写するリアルな歌詞、サウンドはまさに幻覚世界。 無機質なノイズと圧倒される曲展開は鳥肌ものですね。 難解で当時理解されにくかったのかもしれませんね。 サイケデリック・ロックの流行 そして、数々の有名ロックバンドがこのときサイケデリック・ロックに傾倒し始めました。 サイケデリックの新鋭、ピンク・フロイド 画像: はプログレッシブ・ロックのイメージが強く、プログレッシブ・ロックの5大バンドとされていますが、初期の音楽性は、 前衛的なサイケデリック・ロックそのものでした。 そのサイケデリック・ロックの音楽性は、初期のメンバー、シド・バレットによるところが大きいでしょう。 シド・バレットはピンク・フロイドのボーカル&ギターを担当していましたが、薬の過剰摂取で 精神状態が異常だったそうです。 そんなシド・バレットを中心として作られたのが、「 」。 つねに権力や体制へ反抗的で、ステージ上での過激なパフォーマンスで逮捕されるなど、誰もが想像する ロックスター像を詰め込んだような存在だったバンドのカリスマ、ジム・モリソン。 しかし、ロックスターの虚像はジム・モリソンを苦悩させ、心に暗い影を落とします。 アルコールなどに心身ともに蝕まれ、結果その短いジム・モリソンのロックの歴史は終わりを迎えます。 ドアーズのデビューアルバム「 」は、ジム・モリソンのつかみどころのない 死と狂気が詰め込まれた傑作であり、問題作。 歴史的名盤として今も支持を集めます。 ほかにもいろんなロックバンドがサイケデリック・ロックに傾倒 カントリーロックとして認知している人も多いであろう、 や も初期はサイケデリック・ロックでした。 また、ピンク・フロイドと同じように、プログレッシブ・ロックの代表バンドとしてのほうが有名ですが、ソフト・マシーンもまたサイケデリック・ロック路線の時代がありました。 サイケデリック・ロックの衰退 一時はビートルズやローリング・ストーンズもサイケデリック・ロックに傾倒し、ロックにおけるひとつの歴史を築いたサイケデリック・ロックですが、 60年代の終わりには終焉を迎えることになります。 ロック史のまとめ• 60年代後半サイケデリック・ロックが流行る。 サイケデリック・ロックは人間のダークサイド、内省的な歌詞が特徴。 ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは当時は商業的に成功していなかった。 ピンク・フロイドも最初はサイケデリック・ロックだった。 1960年代終わりにはブーム衰退。 この時代は、形は違えどロック史に数々の悲劇が生まれた時代でもありますね。 ロックスターたちの苦悩やプレッシャー、内側に秘める混沌をもっとも表現したのがサイケデリック・ロックなのかもしれません。

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